Monthly Health Report (2023.09)

今知りたい 季節の健康コラム

9月病

例年過酷な暑さが続く、日本の夏。9月に入っても「夏バテから回復できない」「なんだかずっと元気が出ない」といった心身の不調に悩まされている人は多いのではないでしょうか。秋になると、やる気や集中力の低下、焦り・イライラ、また不眠や寝起きの悪さといった睡眠に関する悩みを感じる人が多くなります。いわゆる5月病によく似たこれらの症状は、昨今「9月病」として注目されています。

9月病の原因となるのは自律神経の乱れです。具体的な要因としては、秋特有の気候があげられます。この時期は台風やゲリラ豪雨など激しい気象(気圧)変動が多く、また日中と夜間の気温差も大きくなります。こうした気圧や気温の激しい変化が、夏の暑さによる疲労が蓄積された身体に負担をかけます。さらに日照時間が徐々に短くなるこの季節は、精神の安定を保つ「セロトニン」というホルモン(脳内物質)の分泌量が減少します。このホルモンはストレスに対抗する役割も果たしているため、減少すると焦りや不安、イライラ感を感じやすくなります。9月は、さまざまな要因により自律神経がバランスを崩しやすい時期なのです。

9月病を予防・改善するためには、まず生活リズムを整えることが大切です。自律神経は不規則な生活によって乱れやすくなりますので、夜更かしや休日の寝溜めを避け、毎日同じ時刻に就寝・起床するよう心がけましょう。また、1日3食決まった時刻に食事をとること、とくに朝食をとることも重要です。夏バテの名残で食欲がわかないときも、ヨーグルトやゆで卵など、無理のない範囲で朝食を口にする習慣を意識していきましょう。

「夜なかなか寝付けない」など眠りに悩みを抱えている人は、起床後1時間以内に日光を浴びながら身体を動かしてみてください。朝の日光は体内時計をリセットし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。